Clavier Log

管理人の生活いろいろ

小説家は難しい

渋谷の洒落た喫茶店で僕らは小憩した。店内には小綺麗なオブジェや飾りの本とかが置いてあって香草の匂いが鼻につく。上品な白いカップに注がれたコーヒーを飲みながら彼女は口を開いた。「で、さっきの続きだっけ?私が小説家やめた理由」もっと聞きたいと相槌を打つと彼女はごくりとコーヒーを飲み干して少し不機嫌そうに言った。「あのね、結局は才能なの、小説家って。努力しろとかいうけどあんなの才能がなきゃもたない。書くのも才能、続けるのも才能、楽しむのも才能、私には無理よ。」随分と自暴自棄だな、と思って返答しようとすると「だけどね」と遮った。「未練があるの。何ていうか、幼い子供を捨てる感じ。夢という脆くて頼りない子供を見捨てた気がするの。私が守らなくて誰が守るのって。私が育てなくて誰が育てるのって。だから今すごい悩んでる。」なるほど、と思った。昨夜僕は夢を見た。彼女が暗闇の中で泣いてる夢。顔をぐしゃぐしゃにして号泣してた。助けなきゃって思って手を伸ばしたら突然消えてしまった。僕はその夢を思い出してひやっとした。自分には何もできないんじゃかいかって。苦しんでる恋人を助けられないんじゃないかって。「僕でよければ相談して」と憂虞を隠すように言うと彼女は笑顔で頷いた。眩しい笑顔。いつもなら嬉しいのに今日はそれがそれが今にも壊れそうな危うい感じがした。(終)

 

管理人は文章が下手です。小説書いても上みたいな駄文しか書けない。でもブログは楽しいし続けられる。やっぱり書いてて楽しいってことが重要なのかな。